M-Times 2020.9

荒木家のコロナの話2 2020.9

 監査部の荒木です。今回は、前回(M-Times Vol.12)に続き荒木家のコロナの話です。荒木家では、相変わらず前回書いたようなコロナ対策(石鹸での手洗い、板藍根を飲む、シナモンを鍋でグツグツ煮る等)を続けていますが、それから更に追加した事として、パルスオキシメーターで血中の酸素飽和度を測定するようになったというのがあります。コロナで突然重症となるのは、本人が気付かない内に血中の酸素量が少なくなっている場合もある(無症候性<サイレント>低酸素症と言うそうです)というのを聞き、じゃあやってみようということで、体温測定と同じような感じでほぼ毎日測定しています。数値が低いからといってコロナ感染の判断材料にはできないから意味が無いとも言われていますが、自分のいつもの数値(僕の場合は大体98~96)というのが分かってきていますから、それから極端に下がることになれば、コロナじゃなくても体の何処かに異変が生じているという事は分かるので、まぁいいかなと思ってやっています。

 また、外食しない、遊びに行かないというのも継続していますから、子供にとってはかなり面白くない夏休みになってしまっていると思います。8月下旬に幼稚園の行事として「お泊り保育」というものが行われる予定で、これが子供にとっての唯一の楽しみとなっています。「お泊り保育」は幼稚園最大の行事と言っても過言じゃないくらいのビッグイベントで、京都市北区の山の中にある『大森キャンプ場』というところで2日もお泊りをするというものです。沢登りをしたり、マスを釣って食べたり、馬に乗ったり、キャンプファイヤーしたりと、コロナじゃなかったらこの夏にやりたかったような事が全て含まれているくらい、とにかく盛り沢山です。また、うちの子供にとっては初めての親がいない状態でのお泊りで、しかもいきなり2泊なので、実は僕も妻も内心ドキドキです。ですから、この夏休みは「お泊り保育」を楽しみにしながらも、夏休みっぽくない日常を過ごすという感じでやっていました。

 ところが、そんな荒木家に事件が起こります。8月に入ってすぐくらいに沖縄に住む妻のお母さんから、お父さんが入院したと電話がありました。お父さんの具合が悪いことは以前から聞いて知っていました。数ヶ月前から原因不明の発熱が続いており、色々な検査をしているということでした。ただ、検査のスピードがめちゃめちゃ遅く、次の検査まで1ヶ月待ちとかいうこともありました。これは後で知ったのですが、医療設備や医療従事者がコロナ対応に追われていることもあり、急を要しない検査等は後回しにされていたという事でした。

 妻としては、今すぐにでも沖縄に飛んで行きたいとこでしょうが、沖縄は今や日本一のコロナ感染拡大地域となっており、行っても簡単には戻って来られない状態です。当然そんな状態のところに子供を連れていくこともできませんので、こっちに残した子供の世話をどうするかという問題もあります。それに、子供が初めての親がいない2泊ものお泊りから帰ってきた時に、自分がその場にいないという事はどうしても避けたいという想いもあったりで・・・

 そんなこんなでウダウダ悩んでいる間にも、お父さんの容態はドンドン悪化していきました。集中治療室に入った、透析した、人工呼吸器を付けた・・・となり、そしてとうとう今夜が峠かもというとこまで来ました。こうなったらもう悩んでいる暇はありません。道中や、沖縄滞在中は感染予防に最大限気を付ける、京都に帰ってきたら1週間程待機(あまり早い段階で検査を受けても正確に診断できないので)してPCR検査を受け、陰性が確定してから家に帰る、という事を話し合い、その日の便で妻ひとり沖縄へと向かいました。

 翌日、お父さんが無事一命を取り留めることができたと妻から連絡がありました。ただ、依然として予断を許さない状況ではあったのと、お母さんがここ最近はほぼ寝ていない状態だったということもあり、お父さんだけじゃなくお母さんの事も心配だったので数日間様子を見ることに。

 そして、お父さんもお母さんもとりあえずは大丈夫そうだと判断できたタイミングで帰路につきました。検査までの待機期間を考えたら、お泊り保育から帰ってきた子供を何とか迎えられるギリギリのタイミングです。と、ここまでは全てがバッチリです。

 後は、妻がコロナに感染することなく、無事に帰宅できたら言うことナシですが、さて、どうなることやら・・・