M-Times 2022.4

証憑電子化のすゝめ 2022.4

 総務部の石田です。確定申告の期限直前、国税電子申告・納税システム「e-Tax」で接続障害が発生しました。現在は復旧し、「接続障害によって期限内に申告できなかった場合、申告書の右上の余白や特記事項に理由を記載すれば4月15日まで延長に応じる」とのことです。コロナ対策としてe-Taxを利用した申告を呼びかける一方、そこへ接続が集中することでシステム上の障害を招くという、予想された危機がそのまんま起きちゃった(;_;)というオチでした。

 話は変わって今年1月、改正電子帳簿保存法が施行されました。TKCも我々も大わらわだったのですが、昨年末に突如「2年間の猶予」が決定し、ホッとするやら、必死に準備してきた分ズコー_(┐「ε:)_と脱力するやら…ともあれ猶予は有難いことではあります。だがしかし!いずれやってくるハードルは変わりません。この期間に、確実な準備をしていきたいものです。
この改正電子帳簿保存法最大の難関は、今まで何度かご案内しました通り、電子書類の保存要件がやたら細かいことです。読むだけでゲンナリするので再掲は省きますが、この点は、当事務所ではTKCシステムによる「証憑保存機能」にて対応可能です。現在FX2やe21まいスター等の自計化システムをご利用の皆様には、500円/月(税抜)(※月間保存枚数が50枚超となる場合には別途料金発生する場合あり)にて提供させて頂いております。会計上の問題は、ほぼこれでクリア出来るのではないかと思われます。

 さて、この証憑の電子化において、具体的な作業の一つに「紙の書類をスキャンしてパソコンに取り込む」というのがあります。スキャナーが無ければ購入は必須ですが、有ったとしてもそれが複合機である場合は、別途、卓上のスキャナーの購入を強くおすすめします。なぜなら、証憑電子保存は、PC画面を眺めながらの作業となるため、最低限、スキャナーは、そこから手が届く距離であってほしい。複合機だと、その設置場所と、会計入力をするデスクが多少なりとも離れている場合、非常に(非情に;;)面倒です。経理担当者の心が折れること必至です。ちなみに当事務所では、以前から富士通のScanSnap ixシリーズを使っています。設置・使用法がシンプルで、読込速度が速く、形状の違う書類も安定して読み込むことが出来、扱いやすいです。とくに最新機種ではその長所が一段とアップしましたが、個人的には旧機種でも特に不満はありませんでした。私の心強い相棒です。また、前述のTKC証憑保存システムとの連携もバッチリです。

諸々の業務の電子化・オンライン化は、コロナ禍で拍車がかかりました。冒頭の騒動もその数ある副作用の一つでしょう。「IT革命」なる言葉が世間に登場したのはもう20年以上前ですが、その頃からの流れと、ここ数年の圧倒的加速度を鑑みるに、もはや否応なき人類の宿命であり、後戻りすることは無いように感じます。
当事務所でも、コロナ対策の一環として在宅勤務を始め、未だ探り探りではありますが、証憑以外の書類のオンライン化を進めています。ドキュメントファイリングソフト「DocuWorks」の導入もその一つです。きっかけは「楽2ライブラリー」の廃盤による交代でしたが、そのポテンシャルと自由度は果てしなく…!高機能すぎて初めは迷子になりがちですが、理解が深まるにつれ、その手軽さ便利さに感嘆しきりで手放せなくなりました。

証憑の電子化が進めば、紙による保存は基本必要なくなる方向とはいえ、視認性においては、やはり紙に勝るものは無い…!と思うのは、実は私がアナログ人間だからでしょうか。レコードがCDに置き換わりゆく時代に虚しき抵抗した青春の記憶もございますし。DW万歳しながら、オンラインで配られた資料をこっそり印刷して、メクリッコはめた指でぺらりっこする日々であったりします。それでも、去年一年かけて印刷/保存不要と判断した書類を、一息に整理してみたところ、デスクの引出しをパンパンに詰まらせていた書類綴りは約半分に減りました。今年の年度末には、よっこらしょ!と気合で引き揚げなければならない程、綴りが太くなることも無いでしょう。たぶん。