M-Times 2022.6

一人前の職員になるために「新人職員研修編~」 2022.6

 監査部の原です。前月に続き今月も担当させていただきます。

 4月から税理士事務所の職員として監査するにあたり必要な知識を身に着けるためにTKC主催の研修が始まりました。事務所の皆様から快く「行っておいで」と言っていただき参加しました。今後のスケジュールは4月が1泊2日の新人職員研修、5月から10月までが巡回監査士補という資格取得に向けた研修となっています。「補」とついているものの、易しいわけではなく授業だけで100時間以上、加えて問題演習の時間も必要となります。実際に合格率をみると毎年20%台を推移しており、気を引き締めて学習しないと受からない試験となっています。

 新人職員研修は京都と滋賀でTKC地域会に所属している事務所の新人職員が集まり、そこでマナー講習やグループディスカッションを受講します。研修の予定は1日目がビジネスマナー→昼食→ビジネスマナーとなっています。

 大学の時にマナー講習みたいなのを受けたことがあり、ひたすら「こういう時はこうしなさい」という話を座学で聞いていただけだったため、「マナー研修=座学で聞く」のイメージがありました。そのため、1日目は新人同士で話すことなく終わるのではと想像していました。

 ですが、始まってみると、二人ペアをチェンジしながら、この場合どうするのがいいか議題を議論して発表、名刺交換、電話の応答をロールプレイ形式で行うものでした。そのため職員同士で交流しやすかったのは良かったです。

 一方実際に体験したからこそ「全然出来ていない」と実感することに。知らず知らずの内に失礼なことしていたと今更ながら気付くことに…。今回習ったことは特にレベルの高いことをやっているわけではなかったのですが、それでもここまで出来ていなかったのかと我ながら唖然としてしまいました。

 新人同士で話していて意外だったのは、今年新社会人になりましたという人よりも、転職組の方が多いくらいだったことです。休憩時間に話を聞いていると、転職理由も業界も様々で、それこそ会計に全く関係ない仕事をしていた人も多数いました。

 2日目の予定がグループディスカッション→昼食→グループディスカッション→基本理念の順になっています。

 グループディスカッションは経営を学ぼうということで、お題が与えられ、そのお題に合う商品を作って、4班あるうちのどこが一番利益を出せるかを競うものでした。

 1日目にお互いに遠慮なく意見を出し合える関係になっており、それぞれ経験していることが多種多様だったことから、私とは違う見方や意見も多く出てきました。課題の難しい点は、良い物を作ると経費が増え、節約すると、出来が悪くなり、売れ残りが発生するという設定です。それぞれの役職(例えば経理と製造)で意見が対立するような仕組みとなっていました。

 人の数だけ異なる意見や思いがあり、さらには仕事内容による違いが発生する中、それらを集約し一つの方向を決めていく社長という「立場」の凄さと責任の重さを実感しました。

 ちなみに私の所属していた班の順位は4組中2位でなんとか上位に入ることができました。

 この後、TKCの基本理念を学び、これからの仕事に於いての行動の規範となることを学びました。ここで感じたことは、「講義の内容の意味は分かるが、私はまだ言われていることの半分も理解出来ていないなぁ」でした。しかし、この先仕事をするからには、基本理念の考えを抽象的なままにせず、具体的な形に落とし込んでいくためにどうすればいいのかと考えるきっかけとなりました。

 今回の新人研修で出会った人とは、5月から始まった巡回監査士補の研修でも顔を合わせており、講義で疑問に思ったことを話す等交流が続いています。それ以外にも一部の人とは今でも私的に繋がっており、ボルダリング(※シューズとチョークという最低限の道具だけで、人工の岩のような取っ手がついた壁を登るスポーツ)に行ったり、ご飯に行ったりしております。次回の開催も予定しており、今度はバーベキューにしましょうと計画しています。

 今回の新人研修を通して、研修で習ったことを業務で生かしていくことは勿論、同じ立場で一緒に頑張っていける人と関係が出来たことから、これからもこの縁を大切に、お互いに切磋琢磨しながら頑張ろうと思います。