M-Times 2023.11

ゆるくキャンプ

 松田事務所の荒木です。もしかしたらそういうイメージは全然無いかもしれませんが、実は3年程前からキャンプに行っています(年に2回くらいのペースですが・・・)。きっかけは、滋賀県に住む妹家族(妹、旦那さん、中学生男子1名、小学生女子1名の計4名)がキャンプにはまっており、うちも一緒に行こうと誘ってくれたことです。

 まず一度体験してみては、となり、妹家族が持つテント(大、小2つのテントを持っており、状況によって使い分けているらしい)一式を借りての「手ぶらで参加するキャンプ」から始めました。全く初めてなのでテントの張り方も分かりませんから、テントも張ってもらい、料理も作ってもらいと、何から何までやってもらってのまさに「接待キャンプ」でした。緑が溢れる自然の中、用意された椅子に座って、焼きあがったアツアツのお肉を食べながらビールをグイっと(息子はジュースをグイっと)やった瞬間、参加した息子と僕とでバーベキュー最高~!キャンプ最高~!と叫んでいました。そして、その場で次も機会があれば誘ってもらうようお願いしました(ちなみに、うちの奥さんはアウトドアがちょっと苦手、ということもあり参加せず、です)。

 ただ、いつまでも接待キャンプというわけにはいきません。さすがにテントくらいは自前で用意をした方がいいかなと思っていた時、お客さんから「使わなくなったテントがあるし、あげるよ」との声がかかりました。それは5人くらいが寝られる大きなテントで、僕と息子が2人で寝るには充分過ぎる広さがあるものでした。それならばテント内を大胆に使ってみようと思ったのと、キャンプマットや寝袋の種類が色々あり過ぎて寝具としてどれを買えばいいのか分からなくなった、ということもあり、家で寝る時に敷布団代わりに使っている折り畳み式マットレスと掛布団と枕をそのままテント内に持ち込む、というのをやってみることにしました。

 妹家族の車の中を覗いてみますと、キャンプマットや寝袋が家族分積まれており、いかにも「キャンプ」という雰囲気がする一方で、うちの車の中は、大量のスノコ(マットレスの下に敷き詰めるため)に、マットレスに、掛布団に、愛用の枕に、更には抱き枕まで用意していますから、パッとみた感じではキャンプに行くというよりかは「引っ越し」に近い感じとなります。

 ちなみに、既に6回くらいはキャンプに行っていますが、今でもこの布団セット持ち込みスタイルは変わっていません。キャンプ場によっては、駐車場が少し離れたところにあり、そこからキャンプ場のリヤカーを借りて荷物をテント設営場所に運ぶ、というところもありましたが、リヤカーに布団セットを山積みにして運んでいる姿は引っ越しどころじゃなく夜逃げちゃうか、というくらいの異様さを醸し出していたような気もします・・・が、でもまぁ、人の目さえ気にならないのなら、布団セットによるテント就寝ほど快適なものは無いのではと今でも思っています。

 まず、キャンプ道具としてキャンプマットや寝袋の収納場所を家に確保する必要がありません。朝、出掛ける前に寝室から車へ布団セットをそのまま運び出し、帰宅したら車から寝室へ戻すだけで済みます。また、枕が変わったら寝にくい、ということをよく聞きますが、家と全く同じ枕なので、その問題は出てきません。更に、キャンプマットがいまいちで熟睡できなかった、ということもたまに聞きますが、家で寝ているのと全く同じ状態(マットレス&掛け布団&寝間着&抱き枕)で寝ているのでそれも問題ナシです!唯一問題があるとしたら、あまりにも家と同じ状態にしすぎているせいで、朝目が覚めた時に、テントの中で寝ていたにもかかわらず家で寝ていたかのように錯覚してしまって、非日常感が薄れてしまうことくらいです。

 とまぁ、こんな感じで、ほぼ「形から入る」ということをせずに始めたキャンプですが、この「形から入る」ということをしなかったことによって今思っているのは、せっかく自然が溢れているところで過ごすわけですから、こうあるべきという「形」にはこだわらず、自分達なりの自然なやり方に身を任せる、というのもアリなのでは、ということです。

 キャンプ用の道具はできるだけ揃えず家にあるものを持って行く、当日や翌日が雨予報ならキャンセルする、夕食や朝食はお腹の空き具合に開始時間を合わせる、眠くなったら寝る(大抵普段と同じく21時頃には就寝しているかも・・・)、翌日は早々に引上げて近くの温泉に立ち寄ってから帰る、というような感じで、自分達なりのゆるさ加減でキャンプをしています。仕事や習い事などのように、まずは「形」が重視されるものとは違い、「自分達なり」というものが最初から許される(と思い込んでるだけ?)のもキャンプの醍醐味ではと思っています(ケチだからじゃないです!)。