M-Times 2024.3

滋賀自慢?

 松田事務所の原です。地元の鉄板ネタと言えば「琵琶湖の水とめたろかぁ!?」です。近年はテレビでも何度か取り上げられた影響もあり知名度?が上がったこともあり、「滋賀県に止める権利無いんとちゃう?」と言い返されるまでが一連の流れとなっていました…。大学の時は初対面の人と話す際は良く話題に出しましたが、最近はめっきり使う機会もなくなり今の今まで忘れていました。

 これを思い出したのは、意外なところからです。1月頃に草津駅辺りで遊んでいた際、晩御飯までの暇つぶしに石山寺に行くことにしました。石山寺は現在の大河ドラマ「光る君へ」の主人公である紫式部が、源氏物語を起筆したお寺です。至る所に紫式部の名前や旗が出ており、猛アピールしていました。それをみて「3年前来たときはこんなに推してなかったやん」と思わずツッコみそうになりました。
 
これも滋賀県あるあるなのですが、江戸時代位までの時代劇なら滋賀県に縁があることが多く、今年もここぞとばかりに盛り上がっています。それだけ昔は重要な土地だったわけです。良く「滋賀県って琵琶湖以外に何があるの?(笑)」と馬鹿にしながら聞かれますが意外と歴史の名所があったりします。まぁ問題はすぐ横の京都が強すぎて話題にならないことですが…。

   さて石山寺に来たのはいいのですが、来るのが遅く数十分で閉館時間だったため殆ど見学できませんでした。代わりに近くに流れている瀬田川付近を散歩することにしました。この時「あれ、こんなに水少なかったっけ?」と感じました。そう言えば琵琶湖の水位が下がっているというニュースをよく見るけれど実際どうなのか、ふと気になり、滋賀県の琵琶湖の水位について検索しました。するとそのページのすぐ下にまさかの「琵琶湖の水とめたろかぁ!?」が載っていました。ちなみに琵琶湖に水が入ってくる先は無数にありますが、流出口は僅か3か所のみです。その三つが瀬田川、琵琶湖疎水、SMBC宇治グリーン発電所取水口の水門です。(恥ずかしながら今まで瀬田川と琵琶湖疎水の2か所だと思っていました…。)
   それぞれ国、京都市、関西電力が管理しており、滋賀県が管理している先はありません。仮に強行して全てを閉鎖した場合、琵琶湖の沿岸部に洪水が発生したりすることになります。結論として「強がって言ってみても私たち滋賀県民は琵琶湖の水を止めることはできないし、滋賀県民にとっても大ダメージ!!なのです。」とはっきり記載されていました。薄々知ってはいたもののこうもきっぱり断言されると言い訳もできないなぁ~と思いつつ、公式に取り上げられる嬉しさもあります。

   かなり脱線しましたが、一応調べた琵琶湖の水位0メートルとは、鳥井川水位観測所(琵琶湖の南側にある観測所)の基準面の高さとのことです。この観測所(高度約84メートル)と大阪湾(高度約0メートル)の高さを比べた際、大体大阪城の天守閣と同じくらいの高さとなります。この基準になった説は色々ありますが、明治7年に鳥井川水位観測所が設置された際、当時の瀬田川の状況などからこれ以上下がることがないと判断した数字といわれています。2月13日現在はマイナス55センチとなっており、例年と比べて低い数字となっています。
 ちなみに琵琶湖の水位低下の対応としてマイナス90センチに到達すると取水制限が検討されるとのことで、リアルに琵琶湖の水が止まる可能性もあります。

   様々な被害がある一方で普段水没しているものが見えるようになります。代表的なのが坂本城の石垣です。この城は水城と呼ばれる造りをしており、本丸が湖に突出していたとされています。大河ドラマ「麒麟が来る」の主人公、明智光秀の居城として知られています。光秀死後大津城の建設に建物、石垣のほとんどが用いられたことで城自体が失われ、現在では幻の城となっています。その意味でも貴重なことでした。他にも豊臣秀吉が築いた長浜城の太閤井戸の跡も水位が下がれば井戸の全体が露出するそうです。機会があれば訪れたいです。
 元々歴史好きなこともあり、この辺は語ると長くなりすぎるのでこの辺りで。意外と地元のことを調べてみるのも面白く、自分が良く知る場所が出てきたりすると、ふらっと立ち寄れるのがまたいいものです。ちなみにこれを書いている間につい琵琶湖疎水に足を運びました。この時期は寒いので流石にお勧めしませんが桜の季節は非常に見応えがあります。