[NEW!] M-Times 2025.5

来たれSwitch2、されど転売屋は去れ

 監査部の原です。今年の6月、任天堂からついに新しいゲーム機「Switch2」が発売されると知り、子どものころから任天堂のゲーム機をやりこんできた私としては、「今度はどんな進化を見せてくれるんだ」と、胸がふくらみました(財布の中身はしぼみますが)。
 そして4月2日に発表された内容を見てみると、携帯できるゲーム機としてはまさに「完成形」。初代スイッチの時にも思ったのは内緒です…。期待していた以上の性能で「これは…欲しい…買うしかない…!」と、物欲ゲージが一気にMAXになりました。
 が、しかし。ここでふと頭をよぎるのが、「どうせまた転売屋に持っていかれるのでは…?」という苦い記憶。新しいゲーム機が出るたびに現れる、買い占め集団。気づけば店頭の棚にはsold outの赤文字が並ぶばかり。普通のお店で正しく買えた試しがなく、「またか…またなのか…」と、思わず心の中で天を仰ぎました。
 価格についても悩ましいところ。海外と同じ価格設定にすると、日本では「高っ!こんなの手が出ない」となるし、日本だけ安くすると、今度は「お買い得!日本で買って海外に輸出しよ」と海外の転売屋が爆買いに走るという悪循環。私はこの時点で「これはもう…発売日ゲットは無理ゲーか…」と、ゲーム機を手に入れる前に心がゲームオーバーになりかけていました。
 しかし、です。その同じ日の発表で、任天堂さん、ついにやってくれました。転売対策、バッチリ用意してきたのです。まず価格設定にひと工夫。「日本語版」と「多言語版」に分け、それぞれ約5万円と7万円という差をつけています。しかも、日本語版は表示やアカウントの設定がすべて日本語オンリー。海外の人が使おうとすると、「これ、なんて読むの?」状態になります。
 私たちの感覚で言えば、スマホを買ったら、言語が全て英語固定で、設定もアカウントも全部海外用。「安いのはいいけど、なんかもう…めんどくさ!」となってしまうでしょう。しかも日本以外で使用していると保証の対象外。こうなると、わざわざ日本で買って海外に持ち出すうまみは激減。転売屋にとっては「えっ、扱いにくっ…」な展開です。(そうなってくれと願うばかりですが)

 さらに、真打ちとも言える対策が「抽選販売」です。任天堂の公式オンラインストアでは、早い者勝ちではなく、申し込みによる抽選制。その上で参加するには、なかなか骨のある条件が課されています。
 ひとつ目の条件は、令和7年2月28日時点で、Switchのゲームプレイ時間が合計50時間以上あること。「最近始めました!」では間に合わず、地道に遊んでいた人こそ報われる仕組みです。
 しかもこの条件、発表されたのが4月2日。そう、発表されてから頑張っても、もう「時すでにおそし」。
 ふたつ目の条件は、「Nintendo Switch Online」という有料サービスに、1年以上継続して入っていること。これは、インターネットを使って友達と遊ぶときなどに使うサービスで、毎月お金がかかるため、“遊びこんでいるプレイヤー”しか対象になりません。
 一部では「条件厳しすぎ!」という声も出ているようですが、逆に言えば、本当に欲しい人の元に届くように考えられている、ということでもあります。
 さらにさらに、ゲーム機本体だけでなく、コントローラーやSDカード(データを保存するやつ)といった周辺機器も、例によって買い占めの対象になりがちです。でも、そこにも対策が。抽選に当たった人が、周辺機器も優先して買えるという、安心設計になっています。
 これまでいろんな企業の転売対策を見てきましたが、ここまで手厚いのは初めて。「任天堂、ガチだな…!」と、思わず拍手を送りたくなりました。
 もちろん、公式ストア以外の家電量販店やネット通販(Amazonなど)では、それぞれの販売ルールで売られるため、すべての買い占めが防げるわけではありません。でも少なくとも、条件を満たした人は「そのうち買える」という希望が持てるので、焦らず気長に待てるのが救いです。
 ……とはいえ、「できることなら発売日に手に入れたい!」という気持ちはなかなか捨てきれません(笑)