[NEW!] M-Times 2025.7

「お客さんのところへ行かせてもらう」ということ

 松田事務所の荒木です。かなり昔の話となりますが、M-Times Vol.2 では「月次巡回監査」の意義みたいなことを書いていました。

そもそも「月次巡回監査」とはどういうことかと言いますと、お客さんのところへ基本的に月に一度行かせてもらい、会計ソフトに入力された内容とその基となる資料を突合したり、処理が行われた意図を確認する、といったようなことをします。

そしてその結果出来上がった月次の損益を見ながら今期の着地点を話し合ったり、ちょっとした困りごとの相談等を受けたりすることを言います。


 では、そのM-Times Vol.2 で「月次巡回監査」の意義についてどのようなことを書いていたのかをザックリまとめてみますと、次のようになります。

 お客さんのところへ月に一度は行くことによって、
どんなオフィスで、どんな従業員がいて、どんな雰囲気でみんなが仕事をしていて・・・
というような会社の雰囲気を肌で感じることができる“はず”なので、
月次で締めた損益の結果を見ながら社長と話す際でも、
単なる数字の比較等ではなく、数字の背景にあるものを感じ取った上での言葉ということになり、
僕たちからの言葉を受取る側である社長の中にもすっと入ってくる“はず”・・・

 これ、書いたのは2019年なので今から6年前になるんですね・・・

しかし、今読み返すとかなり小っ恥ずかしいものとなっちゃってます。

この当時は、お客さんのところへ行かせてもらうのを「当たり前」のことだと思っていたのかもしれません。

ですから、実はその前段階に大切なことがあるにもかかわらず、そのことには全く触れずに、それを素っ飛ばして次の段階の話をどんどん展開していく、というようなことをしちゃってるわけです。あ~情けない。
 

「基本的に月に1度、お客さんのところへ行かせてもらう」・・・

これって、よく考えたらすごい事なんですよね。

そのためにお客さん側は、時間と場所、資料等(場合によっては食事、茶菓子等も)を用意してくれているわけですから。

自宅をオフィスにされているお客さんにとってはこれに掃除等も加わり、更に「用意」のレベルが上がることになっているかもしれません。


 だからまずはそのことに対する感謝の気持ちを持つこと。

そしてそれと同時に、対応してくれる社長、幹部社員、経理担当者等と、

「【良い時間】を共有できるようにする」という想いを持ち続ける、

ということが大前提としてあるはずなんです。

そんな大事なことを素っ飛ばしていたとは・・・

ほんと何を語っちゃってたんだろうとめちゃめちゃ反省です。
 

 ところで、お互いにとっての【良い時間】とはどういうものか、それってどうやって構築していくものなのか、ですが、これがなかなか難しいです。

きっと正解の無いものだと思います。


ですから

常にアンテナを張っておき、相手に過度にストレスを与えてしまっていないか、こちらの言動が威圧的になっていないか、自分の都合を押し付ける結果になっていないか等くらいは、少なくとも気を配っておく必要があるのでは、と思います。

その上で、使わせてもらっている会社の設備・備品や見せてもらっている書類等の扱い方であったり、頼まれた事に対する返事や対応の仕方であったり、

または言葉の端々であったりと、

そういったほんのちょっとしたことから【良い時間】の共有への想いはにじみ出てくるものだと思います。


 これらは基本的なことになりますので、ここから更に、相手に合わせてもう少し踏み込んだところまでアレコレ感じたり、考えたり、実践してみたり、といったことが出来るようになれば言う事ナシかもしれません。

が、ここまでのレベルになりますと「言うは易し行うは難し」となってきますので、出来る・出来ないは一旦置いておいたとして、そういった意識を持ち続ける、ということをまずは徹底できればなと思います。
 

 ということで、

今更になりますが(ほんと、今更ですみません・・・)M-Times Vol.2 で熱く語った「月次巡回監査」の意義の大前提として、

「お客さんのところへ行かせてもらう」ことへの感謝と、

「お互いにとって【良い時間】を共有できるようにする」という想いを(各担当者それぞれのレベルで)持ち続ける、

ということを誰もが自然にできているような松田事務所でありたいと思います!